Thursday, September 26, 2013

Fes Medina 複雑な構造をした1000年都市にあった複雑な構造の家にまつわる話 その1

Fes Medina by MB@Photography
Fes Medina, a photo by MB@Photography on Flickr.
モロッコのとある街で「釣りバカ日誌」と「教祖誕生」と「寅さん」映画の上映会を終え一服していたときのことでした。一人のモロッコ人が私に近づいてきました
「家を借りるつもりはありませんか」
「いいえ、いまラバトにすんでいるので・・・・」
「では、ちょっと見るだけ見てみませんか」

モロッコではよく見知らぬ人から、その場では即答できないような結構重要な話をいきなり持ち掛けられたりしました。このときの若い兄ちゃんは、身なりもきちんとしてるし言葉遣いも丁寧だし腰も低いしなかなかの男前でした。しかしモロッコの場合こういう人が一番危い場合があるんです。がしかし、、その遠慮がちでどことなく、おどおどとした感じが東北人ぽくて好感が持て、当方も暇だったこともあり、まあいいか、まあまあ信用できるほうかな、と、誘われるままついて行きました。

男が私に見せたいという家があるその街は1000年都市といわれています。イドリースという男がBC8世紀ごろ宗教的いざこざをのがれて西の辺境モロッコまでたどりつき自分の都をつくったことから始まっています。文部科学省歴史教育ではモロッコのイドリース朝というんであります。イドリースはシーア派イスラム教徒だったそうです。

なにせ1000年の街ですから、もう古いとか新しいとかではなしに石や漆喰で作られた巨大な遺跡のあちらこちらに人がドシャドシャと皆して住んでるという感じで、街中がただただ古いものだらけなのです。人に聞いても「カディーム(古い)」、「カディーム・ジッダン(うんと古い)」、「マーアレーシュ・カディーム・ジッダン(もうわからないくらいうんと古い)」のどれかしか言ってくれません。また古いだけでなく非常に複雑なのです。街の成り立ち自体が「節度のある無秩序」というか「秩序だった無秩序」という感じでルールはあるにはある、だけど好き勝手やる、というふうです。

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